辺野古視察&北東アジア “境界線” ワークショップ 沖縄、台湾、香港、済州

日時
2016年2月27日(土)〜29日(月)
場所
沖縄県名護市辺野古、沖縄県那覇市
使用言語
英語
募集人数
8名程度
主催
東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)」教育プロジェクト2「共生のプラクシス──市民社会と地域という思想」
備考
本研修は、教育プロジェクト2が開講している「多文化共生・統合人間学実験実習II」(村松眞理子担当教員)の単位認定対象となるイベントです(なお、履修者は二つ以上の対象イベントに参加し、活動報告書を執筆することが求められます)。ただし、IHSプログラム生は、履修の有無にかかわらずご応募いただけます。

IHS教育プロジェクト2「共生のプラクシス──市民社会と地域という思想」では、2015年度Sセメスター時に採択された学生自主企画「沖縄企画」のプログラム生たちが、2016年2月27日(土)〜3月1日(火)の四日間、沖縄での実地研修を実施する運びとなっています。そのうち、辺野古の視察、ならびに、「北東アジア "境界線" ワークショップ 沖縄、台湾、香港、済州」と題したGraduate Workshopを、教育プロジェクト2が地域とグローバリゼーションの問題をテーマに開講している「多文化共生・統合人間学実験実習II」(村松眞理子担当教員)の授業の一環として実施しますので、お知らせいたします。

このWorkshopは、国民国家において「辺境」と位置づけられている地域同士の直接的交流を通して、国境地帯における種々の問題を打開する方途を模索していくための、出発点としての位置づけを持っています。参加者は、社会運動の専門家である必要はありませんが、沖縄・台湾・香港・済州いずれかの地域についての関心を自分の研究と関連させることが求められます。参加者は、本Workshopの趣旨に基づいてテーマを設定し、英語で15分〜20分ほどのプレゼンテーションを行います。Workshopは、沖縄大学の若林千代先生(東アジア国際関係史・沖縄現代史)のご協力をいただいて実施し、現地沖縄の大学院生たちとともに発表と討議を行います。

このイベントに参加するIHSプログラム生を8名程度募集します。参加は「沖縄企画」の企画プログラム生以外にも開かれています。関心のある方はふるってご応募ください。なお、下記記載の学生自主企画趣旨を参考にしてください。

参考:学生自主企画「沖縄企画」趣旨

グローバリゼーションの進展によって、ヒト・モノ・カネの移動は増々ボーダーレス化している。反面、安全保障という文脈においては、国民国家体制はむしろ強化されていると言えるだろう。また、排外主義やアイデンティティ・ポリティクスの強化など、民族主義的な傾向の激化も近年世界各地で見られる。

本企画は、グローバル資本主義時代における「境界」「分断」という問題をともに考察することを目指す。具体例として、近年北東アジアの周縁と呼ばれる四つの地域で生起している政治的・社会的運動(台湾・ひまわり学生運動、香港・雨傘革命、沖縄・辺野古新基地建設反対運動、済州・カンジョン海軍基地建設反対運動)について検討する。

本企画で開催地として沖縄を選んだ理由は以下のとおりである。「沖縄」は、ボーダーレス化と分断という、相反する事態の同時進展を確認する格好の場所である。日本国内における米軍基地の沖縄県内への圧倒的な集中は、数十年に渡って沖縄を翻弄してきた。複数の新たな軍事基地建設計画は、沖縄の状況をより深刻なものとしている。軍事基地の建設とは、国境を引くことによって分断された領域「秩序」を永続化することを目的とする。安全保障政策によってもたらされる分断は、政治・経済・文化その他あらゆる側面に及び、超主権的な権力への抵抗のために必要な、国境を越えた連帯を困難とする。このような事態に対して、我々はどのように関わることができるのだろうか。

本企画は、運動をいわゆる社会科学的観点から評価・分析するよりむしろ、これらの運動を考察することを通して、北東アジアという地政学的条件と、それを越える政治的思想運動の可能性を模索する。沖縄、台湾、香港、済州を「辺境」として位置付けるのは、国民国家の領域秩序である。その意味での「辺境」の問題を克服するために、国民国家そのものを相対化し、自らの「辺境」という地位を見直すことを志す。そこで、「辺境」同士が繋がることによって、新たな世界を創造しようというのが、本企画の目的である。

以上に加え、本企画では、「沖縄と医療」をテーマとした現地研修を実施する。これは、「沖縄問題」として一括りに問題化されがちな沖縄を、異なる角度から眺めるためのアプローチである。沖縄独自の伝統的医療、戦時の医療体制、さらには現在の医療の状況など、参加者の関心に応じて小テーマを決めて調査を行い、「医療」という観点から、沖縄の固有性と本土との差異について考察する。その一環として、ハンセン病治療を目的として戦前に設立された国立療養所「愛楽園」の訪問を行う。

日程

  • 2016年2月27日(土):沖縄県那覇市到着。名護市辺野古を視察。
  • 2月28日(日):沖縄大学にてWorkshopに参加。
  • 2月29日(月):帰京

※学生自主企画「沖縄企画」の参加者は、29日(月)以降も、自主企画の活動を継続して実施します。

参加要件

  1. IHSのプログラム生(あるいは下記「多文化共生・統合人間学実験実習II」の履修者)であり、この研修の趣旨を理解して積極的に関与する志を有していること。
  2. 視察先の現場の実践を尊重すること。
  3. 写真・映像・音声等を記録することと、その記録されたものをプログラム広報活動で使用する可能性があることを了承したうえで参加すること。

参加にあたって

  1. 参加を希望するプログラム生は、2016年1月27日(水)18:00までに、下記の「連絡先」メールアドレスまで応募の届け出をしてください。参加希望者が募集人員を超過する場合には、選抜を行います。
  2. 応募時には、以下の情報・内容をお伝えください。

    ①氏名・所属(専攻、コース、学年)
    ②本件でのやり取りに使用するメールアドレス
    ③ご自身の電話番号
    ④緊急連絡先(ご実家あるいはパートナー等の電話番号)
    ⑤加入している保険の名称(「学研災付帯賠償責任保険Aコース」、「かんぽ生命保険」等)
    ⑥Workshopでの発表タイトル(英語)
    ⑦発表要旨(英文で300語以内。語数を明記してください。)

    (①〜⑤の情報は、環境安全管理室に提出する「野外教育研究活動・安全衛生管理計画書」に記載する必要がありますので、参加者には提出をお願いしています。)
  3. 参加者には、東京大学ならびにIHSの規定に則って旅費を支給します。それ以外の個人にかかる経費については各自で負担することになります。参加する場合は、手続き上必要な書類を期限内に提出することが求められます。
  4. この研修は、Aセメスター「多文化共生・統合人間学実験実習II」(担当:村松眞理子教授)の単位認定対象となるイベントです。ただし、履修登録を行っていない場合にも、IHSプログラム生はご参加いただけます。
  5. 参加については、事前に指導教員に十分な説明を行い、了承を得てください。所定の「IHSプログラム学外活動 参加承諾書」に指導教員の署名と承認印を受領し、提出していただくことが出張の要件となります。
  6. 参加者は活動終了後に「活動報告書」の提出を求められます。

連絡先

応募・問い合わせの際には、下記のメールアドレス宛にご連絡ください。
IHS・教育プロジェクト2:project2[at]ihs.c.u-tokyo.ac.jp

参考URL