「『資格を与えられ、そして無視される』〜ドイツの大学における男女平等化の取り組み」

ゲジーネ・フォリヤンティ=ヨースト教授講演会 「『資格を与えられ、そして無視される』〜ドイツの大学における男女平等化の取り組み」

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日時
2015年4月20日(月)16:50-18:35
場所
東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
講演者
ゲジーネ・フォリヤンティ=ヨースト(ハレ・ヴィッテンベルク大学教授)
使用言語
日本語
備考
入場無料・事前登録不要
主催
東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)」教育プロジェクト2「共生のプラクシス――市民社会と地域という思想」
共催
東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)

IHS教育プロジェクト2「共生のプラクシス――市民社会と地域という思想」では、このたび、東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)の協力を得て、4月20日(月)にゲジーネ・フォリヤンティ=ヨースト先生を駒場キャンパスにお迎えして、「『資格を与えられ、そして無視される』〜ドイツの大学における男女平等化の取り組み」というタイトルのご講演を行っていただきます。

ゲジーネ・フォリヤンティ=ヨースト(Gesine Foljanty-Jost)先生は現在、ハレ・ヴィッテンベルク大学(ドイツ)第一哲学部政治学・日本学科教授の任にあられます。ドイツにおける日本学の第一人者であり、日本の政治、教育、市民運動、環境保護に係る研究の泰斗としてご活躍をなされています。2010年より4年間、ハレ大学副学長として、研究促進・国際化の職務に尽力され、大学改革の先陣に立たれてきたほか、ジェンダーの問題にも専門的に取り組まれ、卓越した業績を挙げられてきました。そうしたご研究とご経験の見地から、今回、表題の内容についてご講演をくださいます。

皆様方の幅広いご参加を心よりお待ち申し上げております。

先生ご自身による講演内容のご紹介

過去20年にわたり、女性を取り巻く状況は女性にとってポジティブな方向に大きく変化し、男女平等の法的枠組みは明らかに改善されました。女性のために、法的規定は確かに必要です。しかし、それだけではまだジェンダーの公正の実現に十分な前提条件が揃っているとは言えません。

講演では、指導的地位に就く女性の割合の増加を目標として既にドイツで行われている男女平等政策について、特に州立の公的機関である大学では何が行われているかということについて集中的に論じます。指導的地位における女性の低い割合の現在の原因については広く議論されており、特に若い女性にとってのキャリアへのアクセスを容易にすることを目的とした一連の手段や措置は既に実行されています。今回の講演では、そのなかでも最も重要な手段・対策を紹介し、指導的地位にある男性と女性の割合を同等にすることが、社会においてどんな意味を持つかを議論したいと思います。そしてこれらをまとめた後で、男女平等政策の大幅な進展にもかかわらず、社会での指導的地位における男女の割合の平等性を実現するには、まだまだ長い道のりが必要であるという結論を述べたいと思います。

先生のご経歴

Gesine Foljanty-Jost(ゲジーネ・フォリヤンティ=ヨースト)

略歴

現在、ハレ・ヴィッテンベルク大学第一哲学部政治学・日本学科教授。ドイツ日本学の第一人者。ベルリン自由大学で政治学の博士号を取得し、1992年以来現職にある。名古屋市立大学、東京大学、早稲田大学で客員教授、2010年から4年、ハレ大学の副学長を務め、研究促進・国際化を担当。現代日本社会科学学会、ヨーロッパ日本専門家協会、ドイツ語圏日本研究学会、ドイツアジア学協会で会長を歴任。2007年から2012年に、東京大学との間で日独共同大学院プログラムのコーディネーターを務めた。研究テーマは、日本の政治、教育、市民運動、環境保護など。

主要著作

単著

  • 『日本における経済とエコロジー:成長と環境保護の狭間にある政策』(Ökologie und Ökonomie in Japan. Politik zwischen Wachstum und Umweltschutz, 1995)
  • 『日本における経済とエコロジー:経済の変容とその生態系への影響』(Ökologie und Ökonomie in Japan. Ökologische Folgen wirtschaftlichen Wandels, 1990)
  • 『日本における自治体の環境政策』(Kommunale Umweltpolitik in Japan. Alternativen zur rechtsförmlichen Steuerung, 1988)
  • 『日本の体制維持としての教科書』(Schulbuchgestaltung als Systemstabilisierung in Japan, 1979)

共著

  • 『管理、矯正、意思疎通――日本の学校における暴力の予防策』(M. Metzler / A. Erbe / A. Metzler: Kontrollieren, korrigieren, kommunizieren - Gewaltprävention an japanischen Schulen, 2003)

編著

  • 『日本における市民と国家』(Bürger und Staat in Japan, 2013)
  • 『市民社会とローカル民主主義』(Zivilgesellschaft und lokale Demokratie, 2006)
  • 『1990年代の日本 変化のための起動力としての危機』(Japan in the 90s. Crisis as an impetus for change, 2004)
  • 『ドイツと日本のエコロジー戦略 環境に負担をかけない経済の日独比較』(Ökologische Strategien Deutschland/Japan. Umweltverträgliches Wirtschaften im Vergleich, 1996)

参考URL

http://www.politik.uni-halle.de/foljanty-jost/prof._dr._gesine_foljanty-jost/

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