北京大学・東京大学合同サマープログラム2015 報告 北條 新之介

北京大学・東京大学合同サマープログラム2015 報告 北條 新之介

日時
2015年8月28日(金)〜9月6日(日)
場所
中国・北京

今回の北京大学・東京大学サマープログラムは波乱に満ちたものであった。東大、北京大それぞれから来た、様々な専門である学生たちがあえて一緒にグループを組み、北京にある日系企業を中心に調査を進め、それに関する発表を行った。しかし、そこに至るまでの過程において、我々は様々な壁を乗り越える必要があった。一つは言語の壁である。英語はどの国でも必要とは言われてはいるけれども、実際に使うとなるとなかなか難しい。二つ目は考え方の違いである。我々の班はセブンイレブン北京が中国で弁当を如何に展開するかというテーマであったが、中国人は日本人が一般的に食べるようなコンビニ弁当をそこまで好まないことが分かった。むしろ、日本では見られない、コンビニエンスストアで作ったコンビニ弁当を好むことが分かった。と言うのも、我々が北京市内に住む人々に対して行った調査によれば、工場で作られた弁当は衛生的でなく、かつ安全でない、そして信頼できないという。一方で、現地のコンビニで作られる弁当は―われわれ日本人からしたら、作った後に一定時間放置し、外気にさらされ、衛生的でないように思われるが―新鮮であり、かつ目の前で作っていて信頼もできるという。また、これらのインタビューから得られた知見を整理するには膨大な時間を必要とした。なぜなら、理系や文系、さらには博士課程の学生から学部1年生もおり、そのような多様な知識の背景の下で、どのように我々の議論をすり合わせるかは非常に至難の業であった。パワーポイントの作り方、レイアウトの作り方など随所にそれは見られた。三つめは時間の問題である。我々は10日間という少ない時間を使いつつ、北京市内でいくつかの企業の担当者にインタビューを行った。しかし、より詳しく調べる時間もないままあっという間にプログラムは終わってしまった。

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これらの壁がある中で、我々はセブイレブン中国/北京、QP北京、ASAKURA、ログノス、メイド喫茶、中国大使館、日本商工会などの企業に対するインタビューを実施することで、様々な知見を吸収し、発表のアイデアとさせていただくことができた。お忙しい中、これらの企業の担当者様には時間を割いて我々のためにスライド作成や会場を準備していただいた。この場を借りて改めて感謝を申し上げたい。
結果として、我々は総じてこうした様々な困難に対処することができたと思う。事実、最終発表では各班が独自性を追求し、非常に興味深い報告が多かった。各班、毎晩遅くまで議論し折衝を重ね、それぞれの困難と壁を乗り越えることができた。こうして我々はまた一段とタフでグローバルな東大生となった。

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報告日:2015年9月8日