モナッシュ大学におけるAsian Cultural and Media Studies Now 学会参加報告 于 寧

モナッシュ大学におけるAsian Cultural and Media Studies Now 学会参加報告 于 寧

日時
2014年11月6日(木)−7日(金)
場所
モナッシュ大学Caulfieldキャンパス(メルボルン、オーストラリア)

 本研修はモナッシュ大学アジア研究所アジアカルチャーとメディアスタディーズ研究会が主催したAsian Cultural and Media Studies Now という学会への参加が主な活動となっている。報告者(于寧)は二日間の会議に参加し、英語による口頭発表も行った。

 学会はこの二十年間に迅速に発展してきたアジア文化、メディアそしてコミュニケーション研究における主要問題を再検討し、今日の社会的、歴史的文脈の中、どのような新しいアプローチと学術枠組みが要求されているのかを議論することを趣旨とする。会議では、オルタナティブな現代性と脱西洋化、アジア地域における連結と対話、文化同一化と多様性、移動と想像的共同体とコスモポリタニズムという四つのテーマを中心に、世界中のアジア研究とメディア研究の研究者が発表と議論を行った。

 学会では二日間のうちに複数のセッションが設けられ、それぞれが異なるテーマと異なる地域に焦点を当てた発表が行われ、全体としてはかなり幅広い領域を網羅するものとなった。こうした多様なテーマと地域で生み出されるそれぞれの独特な問題について、コメンテーターはその共通点を見いだし、一見独特な問題にみえるものをアジア全体において共有した。その後行われた研究者等による質問応答と議論は、これらの問題への理解を更に深めるものとなった。自分の印象としては、アジア研究では、東アジアに注目するものが多い気がしてきたが、今回の会議では、東アジアの他に、東南アジアに関する話題も数多く提示され、東アジアだけに注目してきた報告者に新たな視点を提供してくれ、視野が広がり、非常に勉強になった。会議の最後に、シドニー工科大学の孫婉寧教授はアジアメディア研究が直面している難問を(アジアという)地域研究とメディア研究という二つの研究に関わる「二重負担」にあると指摘し、どのようにこの難問を克服することができるかを会議参加者に問いかけた。

 報告者自身の発表に関しては、修士論文に基づいた内容であったが、これから博士課程での研究にも繋がるので、今回の発表は自分のこれからの研究にとっても非常によい勉強の機会になったと考えている。発表後、自分の非常に尊敬している先生からポジティブなコメントをいただき、自分のこれからの研究に自信を付けてくださった。また同じ分野の研究者数人と出会い、これから協力し合うことで、お互いの研究を推進することが期待できよう。今回の発表を通じて、自分の研究そして発表する自信を身につけた他、自分の英語力とコミュニケーション力の足りなさを痛感し、それがこれからの英語勉強の原動力になっている。様々な意味で、今回の研修は報告者にとって、非常に有意義な勉強の旅となった。

報告日:2014年11月20日