Planetary Legacies: Rethinking "Diversity" Outside the University of Excellence報告 阿部 尚史

Planetary Legacies: Rethinking "Diversity" Outside the University of Excellence報告 阿部 尚史

日時
2014年7月16日(水)18:10−19:40
場所
東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム2
講演者
Professor Reginald Jackson (University of Chicago)
主催
東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)「多文化共生と想像力」教育プロジェクト

シカゴ大学のReginald Jackson教授をお招きし、現在の日本および世界における大学教育のこれまでの状況、現在のあり方と将来への展望に関して講演していただいた。これはプロジェクト5の今年度の講演会シリーズCritiquing Diversityの第3回目の企画である。講演では、ジャクソン氏の専門である『源氏物語』に見られる教育(源氏による紫の上への教育)から説き起こして、近年日本の大学教育・研究でもしばしば強調される "excellence"(卓越性)という語について、その概念と語の歴史的展開について詳しく解説がなされた。また大学と新自由主義経済の関係性にも議論はおよび、批判精神涵養という意味での人文学研究・教育の重要性が指摘された。そのなかで人種と教育の問題にも触れ、大学の多様性のあり方についても考えさせられるものであった。質疑では、中世における教育・研究との関係性、大学順位付け制度の妥当性、また東京大学の立ち居地に関してなど、幅広く論点が提示され、活発な意見交換がなされた。本リーディングプロジェクトの理念と実践に密接に関連する有意義な講演会であった。

報告日:2014年7月17日