Same Sex Marriage in Historical Context報告 中村 彩

Same Sex Marriage in Historical Context報告 中村 彩

日時
2014年6月16日(月) 18:10-19:40
場所
東京大学駒場キャンパス18号4階コラボレーションルーム2
講演者
Professor Greg Robinson (Université du Québec à Montréal)
主催
東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)「多文化共生と想像力」教育プロジェクト

今回のロビンソン教授の講演では、アメリカにおける同性婚について歴史的文脈に位置付けつつ多角的に検討がなされた。講演の第一部では、米国政府が異人種間結婚を禁じる法律を利用していかにマイノリティを排除してきたかについて論じられ、一滴でも黒人の血が入っていれば黒人と見なされるという「ワン・ドロップ・ルール」や、南北戦争時代における南部白人による黒人差別の問題や、19世紀末以降の西部における中国系・日系移民などと白人との結婚禁止による移民排斥の問題について考察が行われた。第二部では現代の同性婚の法制化について説明がなされ、1950年代以降のゲイ解放運動における「結婚」の位置付けの変化や、近年のヨーロッパや米国各州における同性婚推進運動の流れについて論じられ、最後の第三部ではロビンソン教授の個人的な経験が語られた。その後の質疑応答では、日本における同性愛者の状況や、そもそも(シビル・ユニオンではなく)「結婚」をする権利は必要なのか、といった点について議論が交わされた。

報告日:2014年6月23日