Methodological seminar for Cultural Diversity(1): Challenges from Visual Anthropology 報告 園田 茂人

Methodological seminar for Cultural Diversity(1): Challenges from Visual Anthropology 報告 園田 茂人

日時
2014年5月19日(月)15:00−17:50
場所
東京大学東洋文化研究所3階大会議室
講演者
Professor Trond Waage (University of Tromso, Norway)
主催
東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)「移動・境界」ユニット
協力
東洋文化研究所、大学院学際情報学府アジア情報社会コース

James Clifford のWriting Culture (1986)の紹介からはじめ、人類学にとって映像がいかなる意味を持ち、文化を記述する際にどのように利用されうるかについて紹介をした。従来の人類学が調査の対象と調査成果の読者とが分離する傾向があったのが、映像を通じて両者を結び付けようとしたこと、映像の製作・解釈に文化的多様性が強く影響していることなどを、具体的な例をもって説明された。 その後、カメルーンで撮影された映画My Struggleを50分ほど鑑賞し、その後、参加者からの質疑を受けた。議論では、(1)カメラが入ることによる効果がいかなるものか、(2)編集によってどれだけの情報が削除されることになっているのか、(3)実際には複雑なストーリーが、編集によって単純化されていないか、(4)映像はアーカイブ化されるのだろうが、これが二次データとして利用されることはあるのか、(5)映像人類学が、結局どのような達成を期待しているのか、など、興味深い論点をめぐって議論が行われた。

報告日:2014年5月19日